マイホームを建てる際、間取りを考えるのは楽しい作業の1つです。
家族と自分の未来を想像して様々な間取りを考える時間は、めったに体験できない幸せな時間だと言えるでしょう。
ただし、マイホームの間取りを考えるにあたっては、押さえておくべきポイントがあります。
ここではマイホームの間取りを考える際のポイントや失敗例、人気の間取りや具体的な間取りの考え方を紹介します。
間取りを考えるコツを覚えて、マイホーム作りを大成功させましょう。
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ここではまず、マイホームの間取りを考えるうえで大切なポイントを、以下4つの観点からそれぞれ解説します。
マイホームの間取りを考えるうえではまず、動線の確保が大切です。
生活動線とは、住宅の中で考えられる動きを線で表現したものを指します。
生活動線をしっかりと考えて間取りを決めなくては、家の中の一部が一時的に混んでしまったり移動が面倒になったりと様々な不都合が生じてしまうのです。
例えば、朝などは家族が一斉に動くため、洗面所やトイレ周りの生活動線をしっかり考えておかなくては、いつも混んで不便にしまう可能性があります。
どの部屋をどれくらいの広さにするのか、仕切りや壁のバランスを取ることも間取りを考えるうえでは非常に大切です。
例えば、リビングを大きくし過ぎて収納スペースをあまりとらなかった場合、今度は収納しきれない荷物を置く場所が必要になってしまいます。
家族人数や構成などから、一般的に最適と言われるバランスを規準にして間取りを考えましょう。
採光や風通しは、間取りを作るうえでしっかり考えておかなければならない大切な要素の一つです。
窓が北側にある部屋にはあまり光が入りませんし、西側に大きな窓がある部屋は夕方になると非常にまぶしくなってしまいます。
また、外からの風を上手に取り込む工夫も大切です。
風が入ってくる窓の対角線上にも窓を置くことで、風通しを良くしましょう。
生活スタイルが変化したときでも、対応できる自由度があるか否かという点も、間取りにとっては重要な要素だと言えます。購入後、家族のライフステージが変化していくからです。
子供を育てる環境や子供が独立した後の生活、そして老後の生活など、ライフステージごとの変化にも対応できるように間取りを考えましょう。
可動式収納や間仕切り開閉壁などを取り入れると、柔軟に部屋の大きさを変化させられて便利です。
ここからは、マイホームの人気の間取りについて紹介します。マイホームの間取りでは、以下の様な間取りや機能が非常に人気です。
対面キッチンとは、調理台に立った時に目の前に壁が無く、リビングやダイニングを見渡せるキッチンのことを指します。
料理中でも子供の様子を確認出来たり、家族とのコミュニケーションを絶やさずに料理が出来たりするため人気なのです。
さらにキッチンをダイニングと横並びにすることで、料理を運ぶ動線を短くシンプルにできるためおすすめです。
リビングと和室が隣接している間取りも大変人気です。
リビングと和室の間のドアを引き戸にすることで空間を広く感じられ、また必要に応じてドアを閉めることでプライバシーの確保もできます。
リビングと和室に段差を設けることで仕切りが無くても独立感を出せ、ちょっとした腰掛け変わりにも利用できます。
実際に間取りを考える際には和室に入るまでの動線確保を重視しましょう。
和室の入り口前にソファを置くことも多くありますが、その場合、配置を気を付けないと和室への入り口が狭くなってしまいます。
食器や食料品を貯蔵する小部屋であるパントリーの設置も、人気の間取りの1つです。
家族が多いなどの理由で、食品をまとめ買いしておく方には大変便利でしょう。
パントリーを設ける際には、キッチンからの動線だけでなく玄関との動線も意識すると、買い物の食材の運搬やゴミ捨ての際に便利です。
内部に歩けるスペースを持ち、ゆったりと洋服を選べるウォークインクローゼットは、根強い人気を持つ間取りです。
収納家具を増やしたくない方や、洋服選びを楽しみながら、クローゼット内で着替えもしたい方に好まれています。
浴室近くにウォークインクローゼットを作ると入浴後の着替えがスムーズにでき、玄関の近くに作ると外出前後の着替えがしやすくなります。
人気のクローゼットと言えば、玄関脇に設置し、靴を履いたまま出入りができるシューズインクローゼットも挙げられます。
外出時に使用するものの中で、土埃や風雨などを避けて保管したいものを収納できるため、便利です。
玄関からだけでなく室内からも出入りできるように間取りを考えることで、利便性がさらに増します。
マイホームの間取りを考えることはとても楽しいことですが、中には少し不便で残念な間取りとなってしまったケースもあり注意が必要です。
そのためここでは、マイホームの間取失敗例を6つに厳選して紹介します。
マイホームの間取を考えるうえで、収納スペースに気を付けることは非常に大切です。
例えば、ウォークインクローゼットを部屋と部屋の間に設置してしまった結果、通り道としてのスペースを確保するために、荷物をあまり置けなくなってしまったケースがあります。
モノをしまうことだけでなく、動線や取り出す際の利便性を考えることが大切でしょう。
日常生活を送るうえでは、音や匂いの伝わり方に気を配ることも重要です。
例えば、リビングの真上に子供部屋を作ってしまったことで、2階で子供の騒いでいる音がダイレクトに伝わって落ち着かない間取になってしまったケースがあります。
また、オープンキッチンを作った結果、フロア中に匂いが充満していしまうようになったケースもありました。
間取を考える際に、匂いや音が出やすい箇所をあらかじめ見つけ、配置に気を付けることが大切です。
コンセントの配線やスイッチの位置を間違えてしまうケースもよく見られます。
少し不便なだけでなく、照明スイッチとドアの位置を間違え、ドアを開けた時にスイッチを押せなくなってしまうなど、非常に使いにくい状態になることもあります。
間取を考える際には家具と家電の配置を可能な限り図面に書き込み、コンセント数の確認やドアとスイッチの位置関係、生活動線上にスイッチがあるかなどを確認しましょう。
窓の大きさや設置する方位を間違えて、明るさや寒暖の調整が上手くいかなくなったケースもあります。
また、リビングやダイニングを広くし過ぎた結果、エアコンの効きが悪くなってしまったケースもありました。
間取を考える際には日の入る線を書き込んでみたり、オープンな空間には広さに応じた空調が入っているかを確認したりするようにしましょう。
浴室や洗面所を1か所にまとめた結果不便になってしまい、結局キッチンで手を洗うようになってしまったケースがあります。
これは水回りの配置を考える際に、生活動線を考えていなかったことが原因です。
日常生活の生活動線を朝起きてから寝るまでの分書き込んでみて、不便なところや集中してしまうところが無いかを確認するようにしましょう。
寝室や脱衣室を軽視して狭くし過ぎてしまい、非常に不便な間取りとなってしまったケースもあります。
脱衣スペースには洗濯物を部屋干しすることもあり、寝室はベッドやテレビを置くために意外と広いスペースを必要とすることが多いのです。
間取りを決める際には、置く予定の家具を置けるかどうかシミュレーションしたり、家族が通るスペースや家事を行うスペースが確保できているか確認したりするようにしましょう。
ここからはより具体的に、シチュエーション別にマイホームの間取りを考えます。
二階建ての場合、以下のポイントに注意して間取りを考えます。
それぞれ理由を解説します。
コストを抑えるために総二階建てを選んでいるケースでは、家全体の面積を小さめにしていることも多くあります。
その場合どうしても収納スペースの優先順位が低くなってしまうため、収納スペースの確保を意識して間取りを考えることが大切なのです。
一階と二階が同じ構造になる場合、二階スペースの空間が余ってしまうことがあります。
せっかくの空間を無駄にしてしまってはもったいないため、フリーススペースを作ったり吹き抜けを作ったりして無駄を発生させない工夫が大切なのです。
平屋の場合は、以下の2点を取り入れて間取りを考えてみましょう。
それぞれ理由を解説します。
平屋は中央に配置された部屋の日当たりが悪くなりやすいため、中庭や天窓などを取り入れて採光する工夫をすることが大切なのです。
日当たりが良くなると、家全体の雰囲気が良くなり、オシャレな印象を与えることもできます。
平屋は二階部分を考慮する必要が無いため、天井の設計を自由に考えられます。
平屋は充分な土地を確保できなければ圧迫感を感じることにもつながるため、勾配天井などを利用することで開放感を感じさせるなどの工夫が大切です。
4人家族や5人家族が住む家の間取りを考える際には、以下の2点を意識することが大切です。
それぞれ解説します。
世帯人数が増えるとその分荷物は増えますし、親戚や両親が泊まりに来るようなことも考えられます。
そのため収納スペースや収納と来客用の部屋を兼ねられる部屋を用意しておくことも検討しましょう。
子供の人数や成長を考慮して、子供部屋の間取りを考えることが大切です。
子供が小さい時にはリビングの近くに子供部屋があると勉強に集中できる子供も多くいます。
また、子供が大きくなって独立した後のことを考えると、あまり子供部屋が多かったり広かったりすると将来部屋を持て余してしまう可能性があります。
そうしたことも考えて、子供部屋の広さやバランスを考えていく必要があるのです。
北玄関の間取りの場合は、以下の2点に注目して間取りを考えましょう。
それぞれ解説します。
北玄関の場合、どうしても玄関の日当たりが気になります。
そこで採光タイプの玄関ドアを取り入れたり、照明のデザインや数を工夫したりすることで、明るい玄関の雰囲気を作ることが可能です。
また、玄関ホールを吹き抜けにすることで、明るさだけでなく開放感を玄関にもたらします。
さらに、壁の色にこだわり、明るい色を選ぶことで玄関の雰囲気を良くできるでしょう。
玄関を北に配置することで、リビングやダイニング、キッチンを南側に配置しやすくなります。
水回りなども北側に配置することで、南側に広々としたリビングにすることも容易となるでしょう。
家族の滞在時間で言えばLDKが長くなるため、せっかく北玄関にするのであればLDKを明るく広々とした間取りにするように意識してください。
近年では、マイホームの間取りをアプリやパソコンのソフトを使ってシミュレーションすることも可能です。
ここからは、おすすめの間取り無料シミュレーションアプリとソフトを紹介します。
無料のスマホアプリは、以下の3つがおすすめです。
それぞれ説明します。
間取りTouch+は、スマホ画面をタッチ操作することで間取り図を手軽に作成できるiPhone専用のスマホアプリです。
部屋単位で間取りを編集できるため、手軽ながら詳細な間取り図の作成ができます。
ドラッグや数値入力によって、1mm単位でサイズや配置を編集することも可能です。
https://app.magic-hour.co.jp/madoritouchplus/
間取り一図は、パーツを並べていくだけで簡単に間取りや家具の配置図を作成できる、Android専用のスマホアプリです。
マス目上になった画面上に部屋や家具などを配置していき、サイズや位置の変更もドラッグで簡単に行えます。
最大で5階分までまとめて管理できるため、複数階を持つ住居に引っ越す際に重宝するアプリでしょう。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.anadreline.android.madrees&hl=ja
Planner 5Dはドラッグやドロップの直感的な操作で間取りをデザインできる、インテリアデザインアプリです。
平面(2D)だけでなく立体(3D)のフロアプランを作成できるため、新たな住まいの間取りを寄り具体的にイメージできるようになるでしょう。
また、5,000以上のアイテムカタログを閲覧し、保存しておくことが可能です。
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.planner5d.planner5d&hl=ja
無料のソフトでは、以下の3つがおすすめです。
それぞれ解説します。
Sweet Home 3Dは、平面もしくは立体で間取りを作り、3Dビューで確認しながら家具の配置などもできるフリーソフトです。
大きさや高さだけでなく、細かい色なども設定できるため、非常に具体的な間取り図の設計ができるでしょう。
また、必要に応じて家具の画像をインポートできるため、より具体的なイメージを持ちながらの間取り設計が望めます。
http://www.sweethome3d.com/ja/
Excel DE 間取り図は、多くの方にとってなじみ深いExcelを使用して間取り図を作成できるフリーソフトです。
Excelで編集するため動作はスムーズであり、Excelの使用に慣れている方であればより思い通りに間取りを作りやすいでしょう。
ただし、マクロ機能を有効にしておかなければ利用出来ない点には注意が必要です。
http://www.kyotodefudosan.com/xls_madori/xls_madori.html
e-house版せっけい倶楽部はパズル感覚で間取り図を作れるフリーソフトです。
間取り図を作ることで鳥瞰図や概観パースも自動的に作れるため、間取り図を立体的にしてよりイメージしやすくしたい方にはおすすめです。
基本的にキーボードは使わず、ほとんどの操作をマウスだけで行えるため、初心者でも扱いやすいソフトです。
https://service.e-house.co.jp/plan/cad/
マイホームの間取りを考える際には、採光や生活動線、部屋の大きさやバランスなど様々なポイントに気を付けることが大切です。
これらのポイントは間取りを考える段階で気を付けないと、実際に住みだした後に不便な思いをしてしまう可能性もあります。
基本的なポイントを押さえたうえで、対面式キッチンやウォークインクローゼットなど人気の間取りを取り入れて、マイホームをお好みにカスタムしください。
また、現在ではスマホアプリやパソコンソフトで手軽に間取り図を作成することもできます。
利用しやすい手段で、思い通りに間取り図を作ってみましょう。