先頃パリでのCOP21において、「地球温暖化による温度上昇を2℃(目標値として1.5℃)までにおさえる」という事で、何となく成功を収めた…? みたいな終わり方となりました。しかし現実に成功を収めるためには、排出量の二国間取引に関するやりとりや、目標通り実行する為の強制力や監視力を誰がいかに発揮し強力に押し進めていくのかという事だと思います。
それとは別に、個々、特に我々住宅業界における役割として、既存住宅や新築住宅における建築時の温室効果ガスの排出量の抑制はもちろんのこと、それにも増して、日々の生活の中でいかに一次エネルギーの消費を抑え、かつ、快適な生活を送れるような住宅を建築していくことが重要となります。
その為にはまず、住宅の気密化・断熱化は欠かせないものであり、国も改正省エネルギー基準の2020年完全義務化を決定しているところであります。しかしそれでも、まだまだ世界レベルの住宅からすると甘い基準にすぎません。
弊社では、20数年前から省エネ住宅の建築に取り組んでまいりました。しかし、まだまだ日本の建築業界には「日本は高温多湿(夏)の国なので、断熱は必要だが、気密は必要ない」と言っている会社さんもあるようです。そもそも高断熱・高気密という言葉自体があいまいで、数値的な指針がないのが実情の中、各社それぞれの思惑の中で、「超高気密」や「超高断熱」などと言っているようです。日本列島は南北に長いため、鹿児島から北海道まで、夏は35度を超え、冬はマイナスの気温になります。その為、住宅の省エネと快適な室内環境をつくるには、気密と断熱はセットであるべきで、それを切り離してはどちらかにマイナスに働きます。
では、住宅の具体的な気密化・断熱化とは…というお話になるのですが、長くなりましたので、次回に持ち越すとします。その時には、全熱交換換気の事も踏まえて、住宅の省エネ・ゼロエネルギーの進め方に触れたいと思います。